SaaS企業のテックタッチによるカスタマーサクセス職(ウェビナーや取材記事を活用した顧客への啓蒙活動)を軸に転職活動を展開していた横山さん。自身のキャリアを活かせる理想的な転職先からの内定も手にしていた矢先、Your Verseから思いがけない提案を受けることに。それは、まったく異なる業種での広報IR・経営企画部門のポジションでした。この出会いが、横山さんの新たな可能性への気づきとなり、最終的な転職先の選択を大きく動かすことになります。今回は、横山さんと、この転職を実現に導いたカタリストが、その舞台裏について語りました。
横山智之さん プロフィール
1996年生まれ。大手メーカー(有形商材)に新卒入社し、営業職としてパートナー会社への販売支援に携わる。その後、IT系メガベンチャーへ活躍の場を移し、パートナー会社への販売支援に加え、オウンドメディアの記事企画・編集業務を担当。さらにキャリアを広げるべく、体験予約サイトなどを運営するIT企業へ転身。テックタッチによるカスタマーサクセスの推進を経験した。2024年8月より転職活動を開始し、新たな挑戦として、全く未経験の広報・経営企画部門への転職を実現した。
それまでのキャリアの延長ではない選択
Your Verseカタリスト 扇本
今回は、私の数年来の友人でもある横山さんの転職事例についてお届けします。横山さんは最初、これまでのキャリアをそのまま活かせる転職先を探して活動していましたね。
横山さん
はい、今年8月に転職活動を始めた当時は、前職のキャリアを活かせるSaaS企業でのカスタマーサクセス職を軸に考えていました。前職では、ウェビナーや取材記事を活用した顧客への啓蒙活動を行っていたので、その経験を活かしてキャリアアップすることを目指していました。実際、共感できるSaaS企業からカスタマーサクセス職としてキャリアアップにつながるオファーを得ることができ、その会社に決めかけていました。
Your Verseカタリスト 扇本
そんな中で、横山さんとカタリストの長谷川さん、私の3人で話をする機会がありました。
Your Verseカタリスト 長谷川
そうですね。お話しする中で、私は彼の持っているポテンシャルを直感的に感じました。フラットな対話力、豊かな感受性、的確なアウトプット能力。これらの素質は、カスタマーサクセスの領域でも大きな強みになるものですが、さらに異なる大きな可能性と、彼が本当に興味のある「何か」がまだあるのではないかと感じたんです。普段Your Verseでは人材紹介業を積極的に行っていませんが、扇本さんと横山さんの数年来の信頼関係があったからこそ、私の大切なクライアント企業の広報IR・経営企画部門という未公開ポジションを紹介しようと思いました。
スキルマッチングの観点からすれば、経験のない分野への転職は難しいのが実情です。一般的な人材エージェントでは、まったく未経験の職種を勧めることは稀だと思います。しかし私たちは、横山さんの「面白いものに触れていきたい」という強い興味関心と、先方企業の広報・IR担当役員が持つ「面白いものを面白いまま世に出していきたい」という価値観に共通点を見出しました。スキルだけでなく、その人が持つ本質的な興味や価値観に着目することで、新しい可能性を見つけることができました。
横山さん
まったく未経験の領域の仕事を提案されて、最初は戸惑いましたね。でも、話を聞いていくうちに、自分の中に眠っていた可能性や求めていることに気づいていきました。Your Verseから紹介された企業の役員の方との対話で、広報やIR、経営企画など、新しい可能性を次々と示していただき、同時に私の可能性を信じる言葉をかけていただいたことで気持ちが揺さぶられました。このプロセスを通して、自分自身を否定的に捉えがちだったことで狭まっていた視野を大きく広げることができました。
二人のカタリストによる伴走支援
Your Verseカタリスト 扇本
私は数年来の友人として、横山さんの人となりや価値観を、自分なりに理解していました。彼との関係性のなかで、これまでの経験にとどまらない大きなポテンシャルを感じていたんです。そのため、彼が本当にポテンシャルを開花できるのはどんな環境なのか、何度も横山さんと対話したり、壁打ちしたりしましたね。
横山さん
そうですね。扇本さんは友人として、長谷川さんは専門家として、異なる視点から私の可能性を示してくれました。二人の視点が重なったことで、自分でも気づいていなかった新しい道が見えてきたように思います。
Your Verseカタリスト 長谷川
私たちは、横山さんがSaaS企業と、Your Verseが紹介した企業の2社から内定がでるタイミングで、「彼の人生にとって意味のあること」を自分で見つけるためのセルフストーリーチャートのセッションを行うことを提案しました。内定が2社から出た時の横山さんは、どちらの選択肢にするか決断しきれず、迷いがありました。目の前にある2社を単純比較しても決めきれない状況のなかで、「会社を選ぶのではなく、会社を選んだ先にある未来を選ぶ」という視点を提案しました。
セッションでは、横山さんの過去の経験を紐解いていきました。幼少期から現在に至るまでの出来事を時系列で整理し、その中から彼が本当に夢中になれる瞬間を見つけていきました。それは単なる自己分析ではなく、自分自身のストーリーを再発見するプロセスでした。
横山さん
セッションを通して分かったのは、これまでの人生でずっと「面白さ」「挑戦」を求めていたことです。どちらの会社を選択すれば、自分が求めていた未来に近づけるのか。そう考えたとき、自分の中で答えが出ました。
振り返ってみると、これまでの人生では自分の本当の願いに向き合わず、どちらかというと無難な選択、流されるままの選択をしてきました。今回の転職活動でも、最初はこれまでの延長線上にある無難な選択肢を探っていました。しかし、たとえ未知の分野で失敗する可能性があっても、「面白くて」「大きな挑戦になるような」選択をしたい。そういった決断をすることができて、とても満足しています。
自分のストーリーに気づき、それに基づいて決断する
Your Verseカタリスト 扇本
横山さんが自身の過去を振り返ることによって、自らが持っているストーリーに気づくことができたのは、私たちカタリストにとっても、大きな喜びでした。その気づきは、彼自身の言葉からも伝わってきます。
横山さん
Your Verseの二人は、本当は自分が求めていた可能性につなぎとめておいてくれた大切な存在でした。お二人や内定先企業の役員の方々は、私が無難な選択に流されそうになったとき、問いを投げかけ、自分のストーリーを活かす可能性へと導いてくれました。信頼するYour Verseの二人がここまで強く可能性を閉じないことを勧めてくれるということは、きっと私にも見えていない何かがあるのだろうーその思いが、最終的な決断を後押ししてくれました。
今は正直ワクワクと怖さが半々です。全く未経験の職種になるので、足りないものだらけの状態からのスタートになりますが、まずは自分が見ようとしてこなかった世界を知ることから始めたいと思います。
Your Verseカタリスト 扇本
セッションや対話を通して、横山さんは自分の中に眠っていたストーリーに気づくことができました。誰の中にもこうした可能性はあると思います。大切なのは、その可能性に気づくきっかけと、それを実現するための一歩を踏み出す勇気です。私たちYour Verseは、一人ひとりが自分らしいストーリーを見つけ、新たな一歩を踏み出すためのサポートを、これからも続けていきたいと考えています。