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ストーリーから中期経営計画を紡ぐ

東急ビルメンテナンス株式会社

業種
総合ビルメンテナンス
事業内容
設備管理、清掃、警備・保安
従業員数
2,856名(2024年3月31日現在)
ご利用サービス
  • 組織向け:ストーリー経営
ストーリーから中期経営計画を紡ぐ

東急ビルメンテナンス株式会社は、総合ビルメンテナンス企業として店舗や事務所、学校、ビルなどの清掃・衛生管理、保安警備・フロントサービスなどを行っています。同社には、2024年1月よりカタリストサービスを導入いただいております。今回は、常務取締役の河野様に話を聞きました。

導入時の状況と課題

  • 次期中期経営計画の検討準備を開始した状況
  • 次期中期経営計画では、既存事業の価値を捉え直すとともに、将来の事業の方向性をゼロベースで考え直したいと考えていた
  • 議論した結果を株主や社員に共有できるように資料化を進めたいが、推進できるリソースが社内に足りない状況だった

サポート内容(2024年1月〜現在) ※2024年6月時点

  • 定例ミーティングを通した経営企画業務の推進
  • 経営課題の壁打ちと議論内容の資料化によるアウトプット
  • 第三者視点からの論点整理

生まれた変化

  • 自社が持つ価値や存在意義の言語化・概念化が進んだ
  • 業界や自社の常識に囚われない事業の方向性を見出せた
  • 社内の手間を最小限に抑えた経営企画業務の推進ができた

ストーリーを共有しつつ、第三者視点から常識を問い直す

― 最初に、カタリストと取り組んでいるテーマについて教えてください。

河野様
当社は、現在、管理業バリューチェーンにおいて最も川下に位置する清掃業を主力としており、 管理業のラストワンマイル(人がいなくては品質の担保ができない作業)を担っています。世の中になくてはならないソーシャルな仕事ですが、人的配置が「物件が決まる→人を集める→ 集まった人を配置する」という後追い受託型サイクルとなっていることもあり、業務全般にわたり、「 個々の契約をこなす」「発生したクレームに対処する」などリアクティブな状態に陥っています。また、人手不足や恒常的なインフレ圧力もあり、リソースを選択集中しなければ、採算性や実効性の面からサステナブルに清掃業務を遂行できない状況にあります。そのようななかで、「今後の経営環境やグループ会社からの期待を踏まえ、次期中期経営計画をどのようにしていくか」について、カタリストの長谷川さんに壁打ちをしてもらいながら取り組んでいます。

壁打ちの中では、会社が生まれ歩んできたストーリーや、私自自身の経験や考えてきたことを共有しながら、当社が担ってきた役割や存在意義を確かめていきました。その上で、私たちの会社を「清掃業」と捉えるのではなく、別の部分に真価を据えて方向性を考えるに至り、「管理業の現場と地域を支える人材マネジメント会社になる」という新たな方向性を定めることができました。現在進行形で、それに基づいてさらに具体的な施策の検討を進めています。これまでの常識にとらわれないよい方向性を見いだせたと思います。

※事業のストーリーをともに紐解き、どのような役割や価値を担ってきたのかを確かめ、経営環境の変化と併せて確かめることで、今後どのように変化していきたいかを検討した。

― カタリストが伴走することに、どのようなメリットを感じていますか?

河野様

大きく2点あります。
1つ目は、自身の思考や考えがクリアになることです。日々、社内外の会話から、自分の中で大量の気づきが生まれていきます。その気づきをカタリストが定例会議で全て出し切ってくれ、これまでの議論とうまく整合させながらまとめてくれます。頭の中にあることがデトックスされスッキリしていく感覚です。そして、アウトプットが資料として積み上がっていくので、自分の頭の中が可視化されていきます。自分だけでは、どうしてもループしたり、考えがまとまらないことも多いので、とても助かります。

2つ目は、自分にはない視点と自信をくれることです。私自身ずっと同じ業界にいるので、視野が狭くなっている自覚があります。業界を知らない第三者から見たときに「それはなぜですか?」「とても素晴らしいことをしているんですね」とピュアかつ客観的な意見をいただくことで、「こういった可能性もありそうだ」「確かにそうかもしれない」と自身の思考を拡張してくれたり、これでいいと思えたりと、大変ありがたく感じています。

―カタリスト側の視点として、長谷川さんはどんな点を心がけてサポートしていますか?また、具体的なサポート内容について教えてください。

長谷川
河野さんは、この会社や管理業・清掃が持つ可能性を強く感じられていて、さらによい方向性にしていけると強い想いを持たれていました。一方で、そんな強い想いを持つ人は、時に、孤独感や孤立無援感を感じることも多いと思います。これまで、その思いに寄り添いながら、「本当に東急ビルメンテナンスとして目指すべきゴールは何か」「実現できる道は何か」をともに考えながらプロジェクトに関わってきました。また、さまざまなステークホルダーが存在するので、多岐にわたる論点を整理しつつ、全てがwin-winになる構図を作れるよう議論を深めることを意識してきました。

具体的には、週に一度、2時間〜3時間のミーティングを行っています。最初に、河野さんに思いの丈や頭の中にあることを思いつく限りお話しいただきました。口頭でお話しされた内容を私が資料にまとめ、アウトプットとして提出し、それに対して河野さんから「ここはもっとこういうイメージにしたい」「こういうふうに表現したい」など一緒に議論を深めています。結果、これまでの既定路線でない提案を取締役会に上程し、方向性の合意を得ました。

※事業を構造化し、課題点を整理したり、事業のデータ分析から課題点を抽出する。整理した課題は、共有相手が理解しやすい形で加工し、報告を行った。(社内資料のため、ぼかし加工を行っています)

―カタリストが介在することで、どんな成果が得られると感じていますか?

河野様
私の立場では、俯瞰的かつ多面的な視点から会社を考えることが必要になります。その範囲が多岐にわたるので、根本では結びついているものの、拡散傾向になってしまうんですね。それを体系立てて説明できるようにしないと、3,000名弱いるメンバーにきちんと伝わりません。自分の力だけでは難しいと思っていたので、それをカタリストに入っていただくことによって整理することができて、自分の解像度も高まりました。それにより、今後の方向性を強く正しく伝えることができるので、目指す姿に向けて周囲がぶれなくなり、実現のスピードと実効性が高まると感じています。

― これまで上流で検討されたことを、具体的に展開するフェーズに入ってきていると思いますが、今後の展望を教えてください。

河野様
今年度は中期経営計画を策定する年になります。自分たちの価値は何か、そしてそれをどのようにマネタイズするか。そのテーマに向かって、共感者を増やしながら、多くの人を巻き込み、進めていきたいと考えています。絵に書いただけでは意味がありませんので。

これからも、カタリストには、「自分たちが何をしたいのか」「どんな未来を実現したいのか」について、私たちの考えていることを、様々な立場の協力者に伝わる状態になるようサポートし続けてもらいたいと考えています。

長谷川
河野さんが考えていることを実現するために、ぜひ触媒役として関わっていきたいと考えています。今後は、河野さんのビジョンに惹かれて「一緒にやりたい」と集まってくるメンバーとの仲間づくりが必要なフェーズに入っていきます。チャレンジしたい方を集め、チームが実働するためのサポートを行いたいです。河野さんの目線に合わせて彼らの目線を上げ、実務面でもサポートを行うことで、東急ビルメンテナンス様のビジョンの実現にも近づくと思いますし、もっといい会社になっていくと考えています。

―ありがとうございました。

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企業のDNAとも言える価値観やビジョンを明確にし、組織全体で共有することで、一体感と動きを生み出します。従業員一人ひとりのストーリーと企業のビジョンが重なるポイントを見つけ、組織のエンゲージメントを高めます。

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